培養と培養室について

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5-11.胚培養時における思い

培養士は、技術的なことを始め、結果についてもいろいろな思いの中で働いています。その様子も調査しました。ここでも例をあげての選択で聞いたところ、結果は多い順に、胚へのダメージは培養士の技術差が影響していると思う(70%)、胚はそれぞれに違いがある(70%)、培養液によっても胚培養の成績、胚の成長や胚盤胞到達率などに差が出ると思っている(57%)、培養液や培養室の機器類によって培養成績に差がでると思う(57%)、培養液には胚との相性があると思う(45%)でした。
ARTが発展したとはいえ、胚へのダメージが培養士の技術差の影響を受けるとする思いを持っている施設が107件あることは、大いに気になります。技術差であれば、努力や統一基準などでの管理などで対応も可能でしょう。そこに期待が寄せられるとともに、同数の107件で、胚にはそれぞれ違いがあるとしていることから、技術差だけでなく、胚の質によって妊娠が影響されることがわかります。質に関しては落とすことのないようにすることはできても上げることはできません。
結果からは培養士の技術や心構え、培養室の環境や機材、そして培養液などによって胚盤胞への到達率や成績に差が出ることもあるだろうことがわかります。実際に、患者にとってはこれらの差がそれぞれの体外受精実施施設で培養士によって発せられていることは知る機会がないかもしれません。
それだけに、培養士の向上心やクオリティが各治療施設で重要なのです。

胚培養時における思い

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